i -アイ-
「とりあえず今REIGNとして動かなきゃいけない事案とかはないんだろ?」
優介さんと司さんが三國さんに聞く。
「あいつがREIGNを辞めてから名雲碧や八澄会の奴らからのコンタクトはない」
三國さんは伸びをして、ポキポキと節を折る。
「が、1つ情報が入った」
三國さんの目が真剣になる。
「 i が鬼龍組に入った、ってな。」
俺たちは固まる。
「それも、名雲碧の右腕候補だそうだ」
理解が、出来ない。
自分の父親を殺した男の元に行くって、
「もしかして、内部から崩してこうってこと?」
信じられないと言いたげに優介さんが言う。
「ははっ、あいつは本当にタダモンじゃないね」
司さんは呆れたように頭を抱える。
「鬼龍って……もし万が一敵だとバレたら、」
「殺されるだろうな」
三國さんが淡々と言う。
「止めなくて、いいんですか」
「あいつが榛人さんと同じ道を辿ろうとしているとは思えない」
藍人の考えは、目的は。
「夜に声が聞こえた、暁が言っていたことが本当なら、藍は名雲碧の家に通ってる」
そこまで分かってて、なんで今なんだ。