i -アイ-
優介さんも真っ直ぐに三國さんを見る。
「平和すぎるのもつまんない。命かけて戦って、また平和すぎる日常に戻れたらバランス取れるんじゃない?」
Win!とゲーム機が音を出す。
司さんも三國さんを見る。
「俺はこの先も藍のそばに居たい」
女である藍人を見た事があるのは、きっと暁さんと三國さんだけ。
興味が無いと言ったら嘘にはなる。
「よし。じゃあ、放課後校門の所にいてくれ」
放課後、三國さんに言われた通りに集まれば、デカいSUVが迎えに来た。
着いたのは三ツ星のフレンチ。
個室に案内され、指定された席に座る。
まだ、亮さんは来ていないらしい。
数分後扉がノックされ、スタッフが扉を開ければ、
「待たせたな」
「え、親父?」
俺の親父、佐伯慎と榊亮さん、碓氷聖さん、そして橘元さん。
「優介、そんな顔するな」
ははは、と笑う元さん。
「すみません」
「お前が謝ることじゃない。それに、麗士もここぞって時は力になってくれるやつだ」
優介さんの親父さんは来ないんだな。
「亮さん、これは」
三國さんも状況が読めないらしい。
「ああ、全員集まった方が話が早いかと思ってな」
「急に呼び出すのやめてもらえるか?榛人じゃあるまいし」
聖さんが呟く。