i -アイ-
「藍の事になれば、俺らも動かざる負えないんだよ」
ふっ、と俺以外に笑いかける親父。
「まあとりあえず、食べようか」
亮さんがそう言って食事をする。
「それにしても、蓮は目付きが変わったな?」
「藍の影響だろ」
聖さんの言葉に親父が答える。
「本当に、藍は榛人の生まれ変わりみたいだよな」
聖さんが呟けば
「見た目はな。中身はほぼまりあだ」
「へえ?そうなのか。俺も久しぶりに会いたいな」
聖さんの言葉に司さんが反応する。
「え、親父、会ったことあるの?」
「当たり前だろ。友人の娘なんだから。ま、お前を連れてったことはないが」
ゆったり時間が過ぎる話し方は、司さんそっくりだ。
「俺は話してみて、榛人に似てると思ったぞ。あのーなんつーの。真剣な時の榛人」
「あー、俺あん時の榛人嫌いなんだよな」
親父の言葉に元さんが答える。
「嫌い?」
俺が首を傾げれば、
「藍と話してて、息苦しいって思う時ねえか?少しでも相手の考えてること見透かしてやろうって目してる時。」
「あ、あります」
「だろ?藍がどうだか知らねえが、榛人はずーっとふざけてるように見せて相手を油断させるための演技をしてるような気持ち悪い奴でよ。本当に榛人自体が心を開かないと何を考えてるか1mmも分かんねえんだよ」