i -アイ-




「人間の構造を理解すれば、手加減しないと簡単に壊れることを理解しているのと同じだからね。タガが外れた喧嘩の仕方をしたら殺してしまうかもしれないって思うんだよ」



「藍人は、それが怖くないってこと?」



「タガが外れないように、俺の口癖があるんです。初めの頃は外れることがあって、その事から俺は有名になってしまったんですよ」



あたしは手を下さない。


けれど、死を選ぶなら助けもしない。


ただ、生きる道を選ぶなら手を差し出すだけ。


初めの頃は、もうやめてくれ、と頭を下げられた時もあった。


殺す気か、と。


殺されそうになるまで諦めないのは相手なのに。


「だから、碓氷司もそういう自分で自分を止めるストッパーを持っていたらもっと強くなりますよ」



「教えてあげなかったの?」



「情報を吸い取るためだけにREIGNに入ったので。REIGNを強くすることは目的外です」



100人近くいるから、まだ皆のことは見えないな。



「桜庭優介は元々喧嘩が好きなわけじゃないので、あまり見たことがありません。佐伯蓮は発展途上ですが、次期No.1は彼でしょうね」



「それまで、REIGNに居られたら、ね」



あくまで、碧さんは悪役だ。



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