i -アイ-
「じゃあさ、幹城は?」
碧さん、面白がってるのかな?
「幹城は……クソ雑魚です」
「おいこら」
「はは、藍人は幹城には辛辣だね」
幹城にガンを付けられる。
「幹城は王道、ですね」
「王道ね」
「分かります?」
「ああ、なんとなくね。基礎が空手みたいな感じだね」
「そう、そんな感じ。無駄がなくて、それで居てパワーもある」
何故か褒められ狼狽える幹城。
「俺はその基礎がない分を柔軟性でカバーしてます」
「つまり幹城は、柔軟性がないってことでいい?」
「はい」
「上げて落とすな」
そんなこんなで話していれば、段々5人が見えてきた。
「碧さんは?REIGNの元No.2なわけじゃないですか」
「俺も王道だよ。喧嘩も元々好きじゃなかったしね」
ヒュンッと飛んできた鉄パイプをパシッと掴む。
危ねえな。
「おいおいおい。誰がこっちに武器投げていいって言った?」
パシ、パシ、と手に鉄パイプを当てる。
シンッと場が静まる。
「仕事は、しっかり頼みますよ」
ニコッと笑う。
「死にてえのか」