i -アイ-
「ほら、お前らも帰るぞ」
「あ、でも、この人たち……」
「俺が片すから大丈夫だよ〜」
呑気にそういうのは、俺らの中で多分1番背の高い、鬼龍側の人。
「お前は、こっちで良かったのか」
「あら、榊亮様に知っていただいているとは光栄ですね」
「馬鹿にしてるのか?鬼龍灯志の長男を知らないわけないだろ」
……え。
へ、え?
REIGNである俺らは体を硬直させる。
「俺なんて大したことないですもん。坊ちゃん達もそんな警戒すんなって。俺、正妻の子供じゃないし。愛人の子だから。」
それが、何か関係あるのか?
「昔から碧さん側だし、それに、藍も気に入ったしね。今回は藍の頼みだから雑用してるんだ。幹部なんだけどね〜」
ペラペラと1人で話す鬼龍臣。
「岸も有栖川も俺も京馬も、藍のこと気に入ってるし、君らに手出すことはもうないと思うよ。まあ、南は知らないけど」
じゃ、またね。
と言って2人ずつ襟首を掴んで運ぶ。
……鬼龍組の組長の息子ってことは、跡継ぎ候補みたいなもんになるんじゃねえのか?
軽すぎねえか。
「行くぞ」
亮さんに言われて倉庫を後にした。