i -アイ-
「ねえ、三國が風紀委員長ってほんと?」
「ん?あぁ」
「学校でそれ聞いて吹いちゃったんだけど。三國、風紀乱す側でしょ?」
「うるせえ」
……なんか、つまんないな、三國。
いつもなら、
『俺がルールなんだよ』
とかジャイアンみたいなこと言って、笑う。
「三國、大丈夫?」
「無理。お前、
すげー可愛い。」
両手で顔を覆う三國。
「え、何、感動してんの?」
「あのなぁ……俺は、久々にお前に会えてすげえ嬉しかったんだよ!それなのに、伝えらんねえから、我慢して…!」
あ、爆発した。
「ふ、あはははっ、それはあたしもだよ?だから早く、どっか入って話そーよ!」
あたしが笑うと、小さく頷いた三國は、若干涙目だった。
穴場だけど、三國の行きつけらしいカフェに入る。
三國は昔、とっても女の子みたいで可愛かった。
だけどあたしの前では男の子であることを主張しまくる子で。
『藍!ついてこい!』
が、口癖だった。
「それにしても、本当にかっこよくなったね?三國」
「もう可愛いとは言わせないからな」
「ははっ、いいじゃん可愛くても。」
「男は可愛いって言われんの嬉しくない。」