i -アイ-





メニューを見てあたしと三國はブレンドコーヒーを頼んだ。


それにしても、あたしを呼んだってことは、色々聞きたいことがあるんだろうなぁ。


面白いのが、三國がそんな素振りをひとつも見せずに、まるでただ暇つぶしに友達を呼んだだけみたいに振舞っていること。


あたしから話を切り出せってことなのかな?

でも、あたしからは話さない。


三國の思い通りって、つまらないでしょ?


「ねえ、三國。」


「ん?」


「1、2、3、4……4人かな?どう?当たり?」



あたしの言葉に表情を消す三國。


三國を疑ってるなんてことは一切ない。


けれど、三國の周りの人まで純粋に信じるのはあまりに危険だからね。


様子を見させてもらうよ。




「ふ、ふははっ、お前、凄いな?」


笑う三國は、無邪気そうだけど、嘘をつくのが上手いだけ。

本当は三國も探り探りだ。


「俺が呼んだわけじゃねえから、そこは理解しろよ?」


少し寂しそうに言う三國。

4人。


三國の使用人か何か。

橘家の人間が3人カフェの中に。

多分、外に1人居る。




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