i -アイ-
監視されていることを申し訳なく思いつつ、あたしに警戒心や状況把握能力がどれだけあるか、三國は試してみたんだろう。
「もしここで、あたしが核心のところの話をしたら、監視されていることを告げてお前には危険なことをするのは無理だって宣告でもするつもりだったんでしょ?」
運ばれてきたブレンドコーヒーを口にして、口角を上げる。
「どう?1次審査合格?」
この会話は、多分監視には聞こえていない。
何故なら、三國がわざと周りの席に客がいるど真ん中の席を取ったから、監視は遠くに座らざるおえなくなった。
試したいけど、話も聞きたい。そんな感じなんだろう。
「俺は心配なんだよ、お前のことが」
はぁ、と息を吐き出す。
「お前の目的がどうとか、これからどうしていくのかとか、明確なものがお前の中にはあるんだろ?俺は榊側の人間でREIGNの奴らは弟みてえなもん。でも、俺はお前の従兄で、俺にとってお前は妹みてえなもんなんだよ。俺は、お前もあいつらも守ってやりたい」
真剣な顔をしてあたしに話す三國。
守ってやりたい、か。
「三國、なぜ、利人さんや漸さんがあたしを黎鳳に入ることを許したと思う?」
三國は、静かに考えてる。