i -アイ-
Lv2
繋がり
「ねえ、聞きました?三國先輩が」
「とても美人な方だったらしいですわ」
「恋人なのかしら」
次の日は、凄い噂の嵐。
良かった、あたしだってバレてはいないね。
「いや、あんだけカッコよかったら彼女でもセフレでも何でも作れんだろ」
バキッ
「ってえな!何殴ってんだよ藍人」
ボソッと呟いた滝谷を思わず殴ってしまった。
そりゃあ優しく。
「セフレとか言ってんじゃねえ、殴んぞ」
「いや、殴っただろ」
恋愛なんかしてこなかったから分からないけど、三國にセフレが居たら三國も殴りたくなるな。
いや、個人の自由ですけどね。
「つか、お前は知ってんじゃねえの?橘三國さんの幼馴染みなんだろ?」
「いちいち女関係なんて聞かないよ。」
「はっ、モテる男の言うことは違うねえ」
「俺は女の子大事にしてるだけ。ほら、練習行くぞ」
今日の昼はスポーツフェスタの練習をする事にした。
……蓮も誘って。
「蓮、練習すんぞ、バスケ」
そう声をかけると、微かに目を開く蓮。
「拒否権、ないから」
そう言ってクスッと笑うと、あたしは蓮の腕を掴んだ。
「ちょ、おい!何勝手に決めて」
「嫌かー?」
本気で振り払わないあたり、そんなに嫌じゃないみたいだけど。