i -アイ-
佐伯蓮(さえきれん)、15歳。黎鳳学園中等部3年。
中等部にも関わらず、REIGNにスカウトされた。
というのも、なかなかな暴れん坊くんだったらしく、それを今のトップが納めたらしい。
バイクに跨り、倉庫を出ると、自分の聴覚の通り、数台のバイクのライトが見えた。
あの中に、俺が会いたい人がいる。
バイクを人通りの少ない道を選んで走り、バイク修理屋【Hawk】の倉庫に止める。
隣のガレージには黒の高級車が止まっている。
倉庫から作業場の方に行くと、金属音が聞こえ、覗くとバイク修理をしている利人さんが居た。
「ただいま、利人さん」
「おう、おかえり。てっぺん超えて帰ってきたらシバくところだった」
こちらを見ずに淡々と言うのが、怖い。
「はは……」
「風呂、湧いてっから入れよ」
「ありがとう」
脱衣所で服と、胸を抑えていたパットを脱ぎ、洗濯機に入れる。
あたしの名前は、御庄藍(ごしょうあい)。
日本最大規模の組織と名を馳せる御庄グループの令嬢。
叔父であり、御庄グループ次期取締役社長の御庄利人(ごしょうりひと)さんと二人暮し。