i -アイ-




佐伯蓮(さえきれん)、15歳。黎鳳学園中等部3年。


中等部にも関わらず、REIGNにスカウトされた。


というのも、なかなかな暴れん坊くんだったらしく、それを今のトップが納めたらしい。



バイクに跨り、倉庫を出ると、自分の聴覚の通り、数台のバイクのライトが見えた。


あの中に、俺が会いたい人がいる。




バイクを人通りの少ない道を選んで走り、バイク修理屋【Hawk】の倉庫に止める。


隣のガレージには黒の高級車が止まっている。



倉庫から作業場の方に行くと、金属音が聞こえ、覗くとバイク修理をしている利人さんが居た。



「ただいま、利人さん」



「おう、おかえり。てっぺん超えて帰ってきたらシバくところだった」



こちらを見ずに淡々と言うのが、怖い。



「はは……」



「風呂、湧いてっから入れよ」



「ありがとう」




脱衣所で服と、胸を抑えていたパットを脱ぎ、洗濯機に入れる。



あたしの名前は、御庄藍(ごしょうあい)。


日本最大規模の組織と名を馳せる御庄グループの令嬢。


叔父であり、御庄グループ次期取締役社長の御庄利人(ごしょうりひと)さんと二人暮し。



< 5 / 457 >

この作品をシェア

pagetop