i -アイ-
嫌じゃないか、騒ぎを起こすなって言われているか。
体育館でバスケを始めれば、
「きゃぁぁぁあ!!!蓮様ぁぁぁあ!」
歓声で体育館が地響きしそうな勢い。
「……せえ」
小さく呟く蓮にあたしは笑う。
「贅沢な悩みだな!」
つっこむ滝谷。
あたしがいるから、言ってみたらしい。
様子を伺いながら、あたしを見てる。
「あははっ、そんなビビんなら言うなよ」
仲良くはなってみたいらしい滝谷。
「藍人くん頑張れーーー!!!」
そんな声が聞こえて、調子乗ってダンクしてみる。
「きゃぁぁぁああ!!!!」
決まったから、女の子たちに笑いかけた。
「こんだけやっとけばいいでしょ」
あたしの呟きを蓮が聞いていることには気が付かなかった。
蓮も滝谷もめちゃめちゃに上手くて、いい感じだった。
「お前、なんで俺を呼んだんだ」
休憩中にそうあたしに言う蓮。
「え?蓮がバスケ出るからだよ?」
ドンッ
蓮があたしの胸ぐらを掴んで、壁に体を打ちつけた。
「てめえ、ナメてんのか」
あ、怒らせた?
これは、真面目に話さなきゃな。
周りも、固唾を飲んであたしたちを見てる。