i -アイ-
「お前さぁ」
教室に帰ると、滝谷があたしを真剣に見つめる。
「佐伯と仲良いのか」
「……滝谷、近い」
「うるせえ答えろ」
「何、妬いてんの」
滝谷の顎に指を当て、撫でると、周りの女の子たちがザワつく。
そして、滝谷が身震いをして顔を青くする。
「きっもいこと言ってんじゃねえよ!び、びびった」
「あはははっ、リアクションデカすぎ」
椅子から落ちそうになる滝谷にツボるあたし。
「はーい、授業行いますよー。そこー?テスト期間だってこと忘れずにー」
「ほら、怒られたじゃん。うるさいよ、滝谷」
「てめえ、許さねえ」
顔を赤くする滝谷が面白くて、声は出さずに肩を震わせて笑う。
あー面白い。
つか、テストかぁ。
帰り図書館で勉強していこうかな。
さすがに首席から落ちるのはやばいだろうし。
今のところ、何も問題ないけど、こんなに遊んでいるように見えて首席取っちゃったら、頑張ってる人に失礼だし。
……榛人も、恨み買ってたのかなぁ。
女侍らせてたらしいし。
そんでもってREIGNのNo.1で、首席。
高校時代のことも調べた方がいいのかもな。