i -アイ-
「なんだ」
真剣な俺に、暁さんは雑誌を閉じてローテーブルに置いた。
「久遠藍人と関わってはいけない理由はなんなんですか」
三國さんは、幼馴染みだと言った。
じゃあ、暁さんは?
俺は、多分、
「なぁに、お前、藍人のこと気に入った?」
いつの間にか俺の後ろにいた、三國さん。
ピクッと体が反応し、振り返り後ずさる。
「今日は俺ら3人かぁ。司も優介も忙しそうだから来ねえな〜」
いつも通り、このピリついた雰囲気の中でもナチュラルにソファに座る三國さん。
「……で?お前、藍人が気に入ったの?」
俺を見て笑う三國さん。
目が、笑ってない。
「……あいつは、確かに何考えてるか分かんねえけど、信じたいっつーか」
「何かと藍人、蓮のこと構ってるみたいだしな?」
テーブルにあるお菓子を食べ始める三國さん。
暁さんは、俺を見ている。
「関わっていいっつったら、友達にでもなる気か?」
……友達。
そんなん、居たこと、ねえな。
「あいつを傷つけたくなかったら、やめとけ」
「……え?」
俺を真剣な目で見つめる三國さん。
「と、言いたいところなんだけどなぁ」
その言葉に、俺も暁さんも、三國さんを見る。