i -アイ-
橘三國side
「三國、何考えてる」
静かに俺に怒りをぶつけるのは、俺の1番手を焼いている弟分。
「そんなん俺に聞くなよ。藍に聞け」
ドサッとソファに座る。
「探り入れた。けど、ぜーんぶあいつはお見通しだった」
「お前、」
「甘やかしてねえよ。ちゃーんと逃げ場なくして、考えてること見てやろうと思った。それがあいつのためでもあるからな」
『どう?1次審査合格?』
普通の奴だったら尾行になんて気が付かない。
しかもあいつは、俺の考えも見通して。
その後の説得だって、たった一つの爆弾で打ち砕かれた。
「あいつは、もう、俺らより強いかもしれない」
「……はぁ?」
「あいつさ、俺になんて言ったと思う」
暁、お前は自分の父親を恨んでる。
藍は、どうなんだろうな。
恨んでいるんだろうか。
「あいはあいでも、佐伯蓮を助けてあげたのだーれだ」
あいつが言った言葉を言えば、暁も目を見開く。
「蓮、あいつが i に助けられたことは、俺らREIGNしか知らねえ事だ。にわかには信じらんねえが、藍、あいつが i 自身の可能性がある。もしくは、藍が i と繋がってる可能性が、な。」