i -アイ-
そのやりたいことというのは、
榛人の死について調べること。
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「よーし、仕事行ってくるぞー」
準備を終えた榛人が、あたしを抱き締める。
利人さんとは真逆の性格。
「俺のお姫様〜」
娘には甘々。
「ちょっと!榛人くん?」
娘にさえ嫉妬するまりあちゃん。
「はいはい、喧嘩しないの。」
そう言ってあたしが2人を抱き締めると、2人ともふにゃふにゃの笑顔であたしを抱き締める。
「榛人、頑張ってきてね。お家で待ってるからね」
「うわぁ、行きたくないけど、頑張ってくるー」
あたしの頬をむにむにと触って、
「じゃ、行ってくる。まりあ」
そう言ってまりあちゃんにキスをして、笑っていつも通り家を出ていった榛人。
その日から榛人は居なくなった。
まりあちゃんは泣かなかった。
ずっとあたしのそばに居た。
まりあちゃんが泣かないから、あたしも泣いちゃいけないと思った。
榛人のお葬式の日も、まりあちゃんは泣かずに凛とした姿勢で喪主である漸さんのサポートを務めきった。
知らない人達が沢山集まっていて、それぞれが小さな声で噂をしていた。