i -アイ-
状況を理解しきれない周りの子達。
「じゃ、また明日頑張ろうね。……蓮、行くよ」
皆には笑うけど、蓮には笑わない。
お前を馬鹿にしてるわけじゃない。
けれど、あたしがREIGNに入るなら、もっと強くなってもらわないと困る。
まあ、その前に、この馬鹿野郎をどうにかしなきゃだけど。
「三國、たまり場?」
「おう」
やっぱ、そこに呼ぶ気だったのね。
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「ここ」
これまたすげえ高級マンションの一室だな。
「お待たせ」
中に入ると、全員揃ってる。
1人用の椅子に促されて、座る。
「ねえ、ここってさ、盗聴器とか監視カメラとかない?」
三國に話すと、
「ないよ。俺が毎週チェックしてるからね」
そう優介さんが答えた。
「そうですか」
にっと笑って答える。
「何を、警戒してるのかな?久遠くん」
冷静沈着な優介さんは、あたしを品定めするように話す。
「俺がここに呼ばれた理由の1つが、個人的な秘密事項になるんです。まあ、バレてもいいんですが、秘密にしておいた方が何かと楽なんです」
優介さんは柔軟に見えて、頑固そうだから、一つ一つ丁寧に話す。