i -アイ-
「蓮、どうした」
司さんが、なかなか座らない蓮に声をかける。
「蓮、座りなよ」
蓮を見ずに声をかける。息を飲む音が聞こえる。
「警戒することはいいことだよ。けどね、よーく状況を考えてごらん。ここで俺が暴れるメリットは?REIGNを潰したいなら、とっくにお前、ここにいないよ?」
冷たく言い放てば、あたし以外の全員が殺気立つ。
「なあ、三國。こういう事なんだよ。分かるだろ?」
三國はずーっと考えてる。
そして、あたしの挙動一つ一つを観察している。
「俺がREIGNを潰す気だったら、三國、お前どうする気だったの?俺がその気だったら、司さんと蓮はここにいないよ?分かるよね?」
あたしを信頼し始めた蓮と、あたしと一対一で会話をした司さん。
三國は、あたしと対峙する時、人気の多い学校や街中を選ぶ。
「三國や暁さんは、REIGNのメンバーを俺に近づけたがらなかったはずなのに。その意に背いたと言っても過言じゃないよね?2人は」
確かに、あたしが御庄藍であることを黙っていてくれているのは感謝してる。
それが、あたしを刺激したくない、そんな理由であっても。
でも、判断の遅さ、メンバーを制御しきれてない現状。
「守りたいんだよね?三國。でも、このままじゃ、死ぬよ?こいつら」