i -アイ-
あたしの言葉に顔色一つ変えない三國と、暁さん。
「そうだろうな」
そう答えたのは、
「……暁……?」
司さんが思わず声を発した。
「その通りだ。俺らはお前を警戒していた。……それと同じぐらい、期待していた」
……それが、甘いって言ってるんだよ、暁さん。
「お前が隣で笑ってくれることを」
「……え?」
なに、それ。
待ってよ。
あたしが i として力になることを、じゃないの?
「おい、暁、どさくさに紛れて何告ってんだ」
こ、く……
え、そっちの甘いって意味でもなかったんだけど。
「は?」
「藍は俺のなんだよ」
「いや、お前のじゃねえから。」
「お前、俺にだけ反応早いの酷くねえか」
まじ三國うるさい。
やめてよ、あたしの思考がグチャグチャする。
「お前、暁のこと覚えてねえんだろ?」
「……は?」
「俺ら三人で幼馴染みだったのによー、お前暁のことだけ忘れてんだよ。俺より懐いてたくせして」
「え……え?ちょ、は?待っ……」
落ち着け、あたし。
小さい頃に、会ったことあるって事だよね。暁さんと。
じゃあ、亮さんは?