i -アイ-





あたしは、亮さんのことも忘れていたってこと?



でも、そうであってもおかしくない。


榛人と亮さんは高校の時の、仲間だったんだから、親同士が仲良ければ遊んでても。


何故、あたしはそれを忘れたの?




「ふぅ、一旦待って。俺の記憶喪失問題はまた後で話そう。とりあえず、暁さんの思いは分かった。」



無表情の暁さんに、隣で笑っていて欲しいなんてそんな愛情ある言葉言われたら調子狂うよ。



「あー、暁さん、これが目的でしょ。絶対。確かに、演技だよ。演技だけど、本当のこと。」



冷たく振る舞うのは得意だからね。

でも、ここに入らないとは一言も言ってない。


三國より、懐いてたって……。

あたしの扱いに長けてるのかもな。



「演技、って」



「どう?ビビった?蓮。いいから早く座りなよ」



ヘラッと笑って蓮を見る。



「俺は三國の宣言から、ここに入ることは決めてたんだ。だから、蓮に呼ばれた時、ただ頷いて着いて来ても良かったんだよ」



怒ってなんかない。



「でも、分かって欲しかった。……俺がここに来ることで、どれだけREIGNが危険になるか。そして、ここにいる人たちの実力がどれほどなのか、確認して欲しかった。現に、蓮は警戒心も薄ければ喧嘩も弱い。あ、俺よりね?」





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