i -アイ-
ぐっ、と拳を握る蓮。
「あと、司さんも。俺を警戒しつつも、心どこかでこう思ってたでしょう?こんな華奢なやつのどこを警戒しろっての?って」
1度目線を落として、再度あたしを見る司さん。
「興味の方を優先させたでしょ?三國や蓮を手懐けてるから気になる、みたいなこと言ってましたもんね。」
好奇心旺盛なのはいいですけどね。
「それが俺の作戦だったら?俺、司さんよりも強いですよ」
「はは、やった事ないのになんでそう言いきれる」
乾いた声。
No.3。
喧嘩に飢えてるみたいだな。
「……司、やめとけ」
暁さんが制止する。
「ねえ、お前、何者なの?そろそろ限界」
良いように、言われて、黙ってらんないって感じか。
「三國が欲しいのは久遠藍人じゃないですよ。司さん」
あたしはその場を立ち上がる。
「皆さん、今日の家までの帰路、お気をつけて」
言葉を交わすのはこれぐらいでいい。
「三國、暁さん、まだ時期じゃない」
じゃ、また。そう言ってその場を後にした。
思い知ってください。
自分の力のなさを。
そして、そこから強くなってください。