i -アイ-




ぐっ、と拳を握る蓮。


「あと、司さんも。俺を警戒しつつも、心どこかでこう思ってたでしょう?こんな華奢なやつのどこを警戒しろっての?って」



1度目線を落として、再度あたしを見る司さん。


「興味の方を優先させたでしょ?三國や蓮を手懐けてるから気になる、みたいなこと言ってましたもんね。」



好奇心旺盛なのはいいですけどね。



「それが俺の作戦だったら?俺、司さんよりも強いですよ」


「はは、やった事ないのになんでそう言いきれる」



乾いた声。

No.3。


喧嘩に飢えてるみたいだな。



「……司、やめとけ」



暁さんが制止する。



「ねえ、お前、何者なの?そろそろ限界」



良いように、言われて、黙ってらんないって感じか。



「三國が欲しいのは久遠藍人じゃないですよ。司さん」




あたしはその場を立ち上がる。



「皆さん、今日の家までの帰路、お気をつけて」




言葉を交わすのはこれぐらいでいい。



「三國、暁さん、まだ時期じゃない」



じゃ、また。そう言ってその場を後にした。



思い知ってください。


自分の力のなさを。



そして、そこから強くなってください。




< 93 / 457 >

この作品をシェア

pagetop