愛の深さに溺れる
episode2
「お待たせしました、カルピスのMサイズになります」
「ありがとうございます」
「あ」
「え?…あ」
いつものようにいつもと同じカルピスを受け取った時、隣から聞き覚えのある声がして私も驚いた。
「また会いましたね」
また彼に会えた。
それも今日もまた彼も同じ映画を見るらしい。
「しかも2つ隣の席なんて近いですね」
数ある席の中、こんな近くに座るなんて…なんという偶然。
「映画の原作は見ましたか?」
そう彼に訊くと、彼は原作のファンでこの映画をすごく楽しみにしていたらしい。
そういう私も原作が好きでこの映画の公開をどれほど楽しみにしていたことか。