愛の深さに溺れる
あの日を境に私は1人で映画を観ることはなくなった。
そのかわり、須崎さんと観るようになったしご飯だって行くようになったし、プライベートの半分は彼に会っているかもしれない。
そういえば、安田さんのお誘いもぱったりなくなった。
「海老塚さん、お待たせしました」
今週末も彼と映画を観に行く予定を立てていた。これで会うのはもう10回は超えている。
「今日も可愛いですね、素敵です」
そして私は気づいてしまった、いつからか彼にドキドキとときめいていることに。
「海老塚さん?」
「へ?」
「大丈夫?遅れちゃいますよ」