愛の深さに溺れる
episode3
須崎さんとお付き合いを始めてから初めてのデート。
もちろんデート場所は映画館。
いつも出会っていた場所だから何ら変わりないコースではあるんだけど、これが私たちのデートの楽しみ方だから誰かに何を言われようと関係ない。
「ねぇ、今日は何観るの?」
そう須崎さんに訊けば、「これだよ」と私が今1番観たいと思っていた映画のチケット。
「さすが須崎さん。私のことよく分かってる」
「好きな人の好きな物はちゃんと把握したいから」
嬉しそうに微笑む彼は私の事が大好きらしい。
私も好きは負けていないと思うのだけど、彼の愛の方が大きいのかもしれないとこの身に感じてる。