愛の深さに溺れる
「あ、そうだ」
「ん?」
「俺と付き合う前に別の男と1度だけ映画観たことあるでしょ?」
「あー…あったね」
あれは最初で最後の安田さんとのデートまがいのやつのことだ。
須崎さんはきっとあの時の彼とはもう大丈夫なの?てことなんだろうけど、今更すぎる。
「ある日を境にぱったりお誘いはなくなったし、今は仕事以外で話すことはなくなったよ」
「そう、よかった」
「…そんなにら心配だったの?」
「ん。だって海老塚さんは可愛いから」