愛の深さに溺れる
「いえ、何もなかったです。大丈夫なので…」
「そっか、よかった」
何がよかったかは知らないけど、彼にとっては何かがよかったらしい。
「あ、この後なんだけど空いてる?」
嗚呼、早く帰りたい。
「もし良かったらなんだけど、一緒にご飯でも…」
「すみません、今日映画見に行く予定があるので」
私は今日も今日とて映画を観に行くという用事がある。
彼には分からないだろうけど、私にとっては大事な用事だ。