アンブレラ
菜穂に告白されてから1週間が経つ。
その間、付き合いたての恋人同士のようなことはほとんどなかった。
唯一のそれらしいことと言えば菜穂からのメールだった。
必ず1日に1回、夕食後、自室でごろごろしている頃に、それは来た。
『こんばんは。今日の夕ご飯、うちは麻婆豆腐でした。私は辛いものが苦手だけど、お父さんが好きだから時々やるの。私はちょっと物足りないけど、お母さんはお父さんのことが大好きだから仕方ないです。小田切くんはなんだった?』
『こんばんは。小田切くん、今日の数学の授業で難しい問題当てられちゃったね。私のほうがドキドキしちゃいました。でも小田切くんは堂々と正解してたね。すごい!数学得意なの?』
菜穂のメールは返事しづらい。
女のメールはこういうものなのだろうか。
亜梨紗の時もそうだった。いや、菜穂以上に難しかった。
菜穂はいつも最後にクエスチョンをつけてくれるから、それに答えれば良かった。
その間、付き合いたての恋人同士のようなことはほとんどなかった。
唯一のそれらしいことと言えば菜穂からのメールだった。
必ず1日に1回、夕食後、自室でごろごろしている頃に、それは来た。
『こんばんは。今日の夕ご飯、うちは麻婆豆腐でした。私は辛いものが苦手だけど、お父さんが好きだから時々やるの。私はちょっと物足りないけど、お母さんはお父さんのことが大好きだから仕方ないです。小田切くんはなんだった?』
『こんばんは。小田切くん、今日の数学の授業で難しい問題当てられちゃったね。私のほうがドキドキしちゃいました。でも小田切くんは堂々と正解してたね。すごい!数学得意なの?』
菜穂のメールは返事しづらい。
女のメールはこういうものなのだろうか。
亜梨紗の時もそうだった。いや、菜穂以上に難しかった。
菜穂はいつも最後にクエスチョンをつけてくれるから、それに答えれば良かった。