青春の花は素顔に咲く
一話 ヤンキー君は王子様な超国民的人気アイドル!?
「おい、黒野芽以(くろの めい)。いくらなんでも学校にそのフリフリひらひらはないんじゃないか?」
「先生、この学校は私服校です。そしてこれはフリフリひらひらではなく、ゴシックロリータです。略してゴスロリです」

 あたしは黒い縦ロールにリボンを揺らして振り向く。そして釣り目気味の目でにらみつける。その後担任に渋い顔で言った。

「いや……でも節度を守って……学校にふさわしい程度の派手さを……」
「まあまあ、黒野君は成績学年一位だから」

 先生同士でなにやら意見が割れている。
「そんな校則ないですよね?」
「えっと」

(早く解放して欲しいんだけどなあ)
 
 私は思わずため息をつく。
 そんなとき。そこにやってきたのは……。

「理事長!」

 あたしの高校の理事長だった。
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