青春の花は素顔に咲く
三話 ゴスロリちゃんとヤンキーくんとゴスロリちゃんのお母さん
明日にはお母さんが帰ってくる。
あたしは掃除機を片付け、汗をぬぐう。
「よしっ、大分部屋は片付いたかな」
狭い家だけど大分ピカピカにできた! 玄関にお花も飾った。安いものだけど、少しでも部屋を明るくしたくて。
「お疲れ芽以ちゃん、ジュースを入れたよ」
「ありがとう。おばあちゃん。あ、お母さんの部屋もある程度は綺麗にしとかないと」
「芽以ちゃんはえらいねぇ。いつも家事をしてくれて助かるよ」
「一緒に暮らしてるんだから支え合わないとね?」
「本当、自慢の孫だねぇ」
「おばあちゃんのほうが自慢のおばあちゃんだから」
「まあ、嬉しいねぇ」
二人向かい合いニコニコするあたしとおばあちゃん。
お母さん、もう何年もほとんどあってない。
お父さんはもっと会えてない。