青春の花は素顔に咲く
*
「芽以はこの色のほうが似合うわね」
お母さんがそういうなら、そうなのかもしれない。
「これは芽以には合わないわ、こっちのほうが」
お母さんがそういうならそうなのだと思う。
「ねぇ、芽以。芽以にはこれのほうがいいんじゃない?」
お母さんが、そういうなら。
「夢……」
小さなころの夢だった。子供の頃のあたしは主体性がなくて。
自分に自信がなかったから、すべてお母さんにゆだねていた。
(……ゴスロリを着るまでは)
本当に、あたしにとってのゴスロリは魔法の服で。
どんな特攻服よりも特攻服で。
(あたしと違ってお母さんは派手な顔の美人だしね)
「芽以はこの色のほうが似合うわね」
お母さんがそういうなら、そうなのかもしれない。
「これは芽以には合わないわ、こっちのほうが」
お母さんがそういうならそうなのだと思う。
「ねぇ、芽以。芽以にはこれのほうがいいんじゃない?」
お母さんが、そういうなら。
「夢……」
小さなころの夢だった。子供の頃のあたしは主体性がなくて。
自分に自信がなかったから、すべてお母さんにゆだねていた。
(……ゴスロリを着るまでは)
本当に、あたしにとってのゴスロリは魔法の服で。
どんな特攻服よりも特攻服で。
(あたしと違ってお母さんは派手な顔の美人だしね)