青春の花は素顔に咲く

「真顔で言うとはとんだ鈍い男だね」
「?」
「まあ、面白いからいいけど」
  

 笑いを堪える様子の生徒会長。
 白銀はキョトンとしていた。

「何を言ってんだ、生徒会長」

(本当に何を言ってるの。白銀もだけど、これじゃまるで白銀もあたしのことが好きみたいじゃない)

 そんなはずないのに。期待しちゃうじゃん。ありえないのに。もうっ。

「ある意味芽以ちゃんとお似合いだけど」
「「何が?」」
「……そういうとこだよ、二人とも」
「「?」」 

 あたしと白銀は顔を見合わせて首をかしげる。

 よくわからないけど遊ばれてる?

「なんていうか白銀君って本音を自分でも無自覚に抑えてそうだよねー」
「? どういう意味です? 生徒会長」
「いい子の呪い? ってやつ?」
「呪い?」
「いい子で居なきゃって抑圧、すごい感じる。テレビで見てても。まるでいい子じゃない自分は愛されないとでも言いたいぐらいに」
「…………」

(白銀……? なんか深刻な顔で黙っちゃった?)

 思い当たること、あるのかな。
 気になるよ、あたし。
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