青春の花は素顔に咲く

「白銀君ももっと目立たない、それか目立っても問題ないキャラにすればよかったのに、なんでヤンキーを選ぶかなぁ、ウィッグなりなんなり方法はあるでしょ、その金髪」
「ウィッグ……その手があったのか」
「……うん、白銀君は頭がよくないんだね」
「ああ、オレは馬鹿ですね。生徒会長と違って」
「そこは怒ろうか?」
「? 事実じゃないんですか」
「……はあ」

 頭を抱える生徒会長。
 あたしはそれを見て笑いをこらえた。

 なんだかんだで二人は上手くやっていけそうじゃないの。

 生徒会長があたしを好きだってのもきっと冗談だよ。うん。
 だってあたしなんか、釣り合わないし。

 まず国民的アイドルなんだから、惚れるわけない。

 って、白銀にもそれは言えるけどね。悲しいけどそれが現実だから。

(むしろそれが当たり前だし、勘違いして期待しちゃだめだよ)

 せめて白銀の良き理解者で居ないといけないんだから。

 その美味しい立場を失うようなことはしちゃいけない。自爆だよ。

(だけど、正直気持ちを伝えて、付き合いたいと思ってしまう自分もいて)

 複雑すぎる。だけどそんなの、立場が許さない。絶対に、許さない。
 白銀の両親の命だってかかってるんだ。わがままは言えない。

 自分のエゴで、人の命は絶対に奪えないから。
< 214 / 311 >

この作品をシェア

pagetop