青春の花は素顔に咲く
「両親のいない世界で生きる意味は何なんだよ。オレに何が待ってるって言うんだよ。オレが死んだら二人に会えるのか? それとも自分で死ねば地獄か? 会いたいんだよ。オレは! 両親と普通に暮らしたいんだよ。それだけなんだよ。他に何も望んだことなんかないんだよ。それだけを目指してアイドルもしてきたのに、なんでだよ!?」
声にならない声で、白銀は叫んだ。
「もう、疲れたんだ、オレは、もう、頑張りたくない。幸せな夢を見て眠っていられるのなら、それでいい。目覚めなくてもいい。幻覚でもいい。両親に合えるなら壊れてもいい。だってそうするしかオレは夢をかなえれないんだろ!? オレは! いつになったら普通の男子になって、両親と一緒に暮らせるんだ!?」
「っ……」
気が付けば、あたしは走り出していて。
「白銀……」
そう呟いて、白銀を抱きしめた。他に何もできなかった。
悔しかった。あたしに白銀の夢をかなえる力はないから。
ううん。白銀の夢をかなえれる人はこの世には……。