青春の花は素顔に咲く

「白銀に、生きてほしいよ、あたし」
「……黒野」
「正直わかんない。白銀について何もわかんないのかもしれない。けど、ここまで人を知りたいと思ったのは白銀だけだから、その……一緒に探していくんじゃ、ダメ、かな……なんて……都合よすぎるよね……ごめん……」

 たどたどしく、そういうあたしの中には答えなんか見えなくて。
 ただ、黙っいることもできずに、思ったことを言う事しかできなくて。
 所詮あたしはその他側の人間なのだと、わかっているから。

 白銀みたいな人の痛みに、理解できるような人間じゃないから。 

 痛みを変われればいいのに。そしてあたしだけが苦しんで、白銀は幸せに生きていければいいのに。何で、この世は不公平にあふれているのだろう。どうして。

「あたしのことは、嫌いかな?」
「それはありえない。お前がいたから、ここまでやってこれた」
「じゃあさ、ずうずうしいけど……あたしのために生きれない……よね。無理だよね……ごめん、でも……あたし……白銀がいない世界で呼吸できる気がしないや……あは……」
「黒野……」
「白銀が望む人じゃなくてごめんなさい。ご両親になれなくてごめんなさい。でも。あたしはあたしにしかなれないから……」
「…………」

 白銀は無言であたしを見た。張り付いていた笑顔が、取れているのに気が付いてあたしははっと目を見開く。そして、白銀は。
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