青春の花は素顔に咲く

 公園で、独りブランコをこぐ。空は青い、芝生も青い。あたしの心はどす黒い。
 

「ふう……」

 ため息をつきながら青い空を見上げてまぶしくて目をそらす。

「お友達、欲しいな」

 そんな本音があふれて漏れた。

 願うだけ、で何かする勇気もないままの自分に、あたしは泣きそうになる。
 何度、そんな日を過ごしたか。

 我慢しなきゃ。
 身の丈って言葉なんか知らないくせに、あたしはいつだってそれを意識してきた。
 それに、皆の輪に入ればまた傷つく。ただそばに立つだけで、見ためをつい比例してしまうから。しかもそれはあたしだけじゃなく周りもだから。
 そしてみんなが口を揃えて言うんだ。


 ひどいブスだね。

 って。

 そんな言葉は聞きたくないから。
 だから、あたしは。

(一人が一番なんだ)

 そう、だから。
 今を満足しなきゃ。

 寂しいなんて考えちゃいけない。
 
 何度も何度もあたしは自分に言い聞かせた。

 けれどやっぱり友達が欲しくて。


 そんな時だ。『あの子』に出会ったのは。
 ある日。あたしがいつも通りブランコにいると……草むらにしゃがみこんだ子供が見えた。キラキラ光る何かに惹かれ覗いてみると女の子だった。

「お姫様がいる」

 金髪の長い髪に、綺麗な青い瞳。
 長いまつげに、白い肌。
 絵本で見たお姫様に、あたしに見えて。
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