青春の花は素顔に咲く

「だから! 白銀は別に気にしなくていいんだからね! あたしは学費免除してもらえるからやるだけなんだからっ」

 あたしはあたふたしながら白銀から目をそらして言った。

「そうか。わかった。でもやっぱりありがとう」

 追い打ちのようにお礼を述べる白銀。
 やばい。もうつらすぎるわ。

「絶対、卒業しような、黒野」
「あたしが教えるんだから当然でしょ! 卒業しなかったら許さないんだからね!?」
「……ああ、もちろんだ」

 はにかむ白銀のさわやかな声に胸が高鳴る。心がすごく苦しい。

(息苦しいのは何で!?)

 発作みたいな苦しさなんだけど、あたし持病はないよ!?
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