風鈴が鳴る頃に
 初登校の日、

家を出て田んぼに挟まれた道を行き、
踏切を渡る
古びた駄菓子屋と赤い鳥居の前を通って
坂を登ると校舎だ。


踏切を渡ったあたりから同じ制服を着た男の子たちを見かけた
その子たちについて行くように坂を登った


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名前を黒板に書く。

   宮
   下 

   成
   瀬

「東京から来ました。よろしくお願いします」


窓側の1番後ろの席に着席した

「東京だってよ」「なんでこんな田舎に」
「都会じゃけぇ」
なまったイントネーションで
次々にクラスメイトがざわめく声がする



窓の外の
東京とは違う景色に見とれていると
そんなクラスメイトの声でさえも

耳から遠のいていった




< 5 / 18 >

この作品をシェア

pagetop