物事は計画的に。
頭の中で最終確認し済ませ、図書館へ入館する。 
椿に見付からない様に細心の注意をはらい、探し出す。
どうやら、本日の彼女は受付担当らしい。
時計を見ると昼過ぎ。
そろそろ行くとするか。

持参した本をあたかも貸出依頼をお願いするように声をかける。

「貸出をお願いします。
 ただ、初めての利用なので図書カードの作成もおねがいしたいのですが。」

「はい!分かりました。
 本日は身分証は何かお持ちでしょうか 」

まだ気付かないが少し考えている?
「……」椿は恐る恐るといった様子で顔を上げるとようやく、僕に気付いたらしい。

「えっ・・・と・・・。」

やっと気付いたか。

「何時までだ?」

容赦しないよ、奥さん。
「13時です。」
「あと三十分か。
 貸出と図書カードはいいから、終わるまで待ってる。
 終わり次第、図書館の入り口に来るように。
 何か異論でも?」


「あっとお、お仕事はどうしたんですか…?」

「今ここで話してもいいのか?
 妻が怪し「わっわかりました。
 終わりましたら入り口付近にむかいます。」

「椿が終わるまでそこで本を読んでるから。
 勝手に帰るとか見付からなかったとかはゆるさない。」

「・・・はい。」


「眼鏡は外すように。」そう言って、眼鏡を椿から奪う。


そんな事、君の捜索する為に休んだに決まってだろ。
むしろ、それ以外に休む理由がない。


今のところだが。

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