物事は計画的に。

梅雨入りをし、予定日を数日過ぎた頃に私の身体に変化が訪れ、晴れ一色の日に出産を迎えた。

両家総出で何事かと知らない人が見たらびっくりするであろう日々。
『頼りにしてます。』
岳さんのこの一言に感銘を受けた両親たちはとても協力という言葉で済ませない程に何から何までお手伝いをしくれている。

「まぁま~どこにいるの~?まぁま~
 くまちゃんがいないの~
 ままもさがしてよ~」

私が出産したのは女の子。
彼女の名前は『いろは』。
もう、こんなにお喋りが上手になり彼女は今年の夏、三歳のお誕生日を迎えた。

「いろは、ママはここだよ~。
 くまちゃんお出かけしちゃったの?」

「まま、みーつけたっ!
 くまちゃん、まいご~」

彼女のご所望のくまちゃんとは某キャラクターのくまさんのぬいぐるみ。
お腹にがらがらが入っていて赤ちゃんの時から一緒にいるのでいわば彼女の相棒である。
娘曰く、くまちゃんがないと眠れないらしい。
ぐずった時に行方不明の時は大捜索を岳さんとしてるのも彼女が大きくなった時には、素敵な思い出の一つになっているに違いない。

とはいえ、大体検討はつくので彼女には特別ヒントを与える。 
「いろは、ピンクのリュック見た?
 これのなか、みた?」

彼女のお出掛け用のリュックサックには大好きなものが詰め込まれている宝箱ならぬ、宝リュック?かな。

「あっ!!くまちゃんいた~」
< 179 / 193 >

この作品をシェア

pagetop