物事は計画的に。
一人、ミステリーの世界へ行きそうになっていたら、ご主人様はどうやら準備完了したらしい。
見送らなければ!!

「岳さん。お仕事頑張って下さい。」

「ああ。行ってくる。」
 
「はい。
 いってらっしゃい。」

靴を履き終えた岳さんに鞄を渡して、いつもの挨拶をした。
今日も遅いの寂しい。なんて甘えられたらどんなに楽だろう。
たまには一緒にごはんを食べたいなんて言えたらどんなに可愛い奥様でしょう。
って、しまった!!
ネガティブになっちゃったよ。
せっかく、楽しい気分に持っていってたのに何してるのよ!

……ばれてないよね?


ガチャンとドアが閉まって、やっとほっと一息。
とりあえず、内鍵を閉める(念のため)
少しヒヤッとしたけど、なんとか第一関門突破!!
実のところ、今日から旦那様に内緒でお仕事始めます!

本当だったら、大学を卒業したら社会人になってるはずだったのに。
だから司書の資格が取れたら、地方公務員の試験を受けようと将来の道はしっかり決めていたのにーーーーー。
家に閉じ籠っていても、つまらないし夢にも描いていたお仕事を開始します!


なぜこんな隠し事をしないといけないのかって。。。
理由は恋愛結婚じゃないから。
恋愛なんて程遠いと思っていたから、まさか自分がこんなに早く結婚するなんてね。
旦那様である岳さんとは10歳の年の差がある。
その為に結婚を急かされたわけだけど、色々すっ飛ばし過ぎててまだこの状況に付いていけてない私。


それでも、自分のやりたい事は昔から同じ。
旦那様が帰って来るまでの間だけだから許してね。
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