物事は計画的に。



翌朝、珍しく椿は寝坊した。
バタバタと寝室から足音が近付いてきた。
どうやら、起きたらしい。



「おはよう。」

「おはようございます!
 遅くなって、すみません。
 直ぐに朝食の準備をしますね。」



「寝坊なんて、珍しいな」


本当に珍しい。
夜遅くまで本でも読んでたか?
僕の事を待ってた、、、とか?
それだったら嬉しくて舞い上がりそうだが。



「え、そうですか。
 昨日からパ、あ!  
 昨日から友人が薦められた海外ドラマを遅くまでみてしまって。
 すみません。」

  
残念。 
本でもなく、僕を待っていたでもない。 
可笑しな日本語になる程の動揺に隠し事は確定した。



はぁ。昨日1日何をしていたのか、吐くまで追及したい気持ちを押さえる。
この家に居るのはいやか?と不安が襲う。



「パ?」

「パラサイト系のドラマです。」



僕が知っているところだと、椿は恋愛ドラマやミステリーサスペンスが好きなはずだが?と追及したい気持ちを押さえ、分かった振りをする。



素直な君は少しずつ秘密を暴露してくれるから。


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