物事は計画的に。


遅いな。
あれから何分経つ?
何度も腕時計とスマホをチェックしてしまう。
これはもう迷子確定かと不安が過った時ーーー


「宮下君!おはよう。
 引っ越したって聞いて最寄り駅が同じなのになかなか会えないから、駅名間違えたかと思ったけどやっぱり一緒だったのね。 
 それにしても、こんな時間に駅前で何してるの?
 まぁ、いいわ。
 ちょうど良かった。話したいことがあるのよ。
 一緒に出勤しましょう!」

誰だ?
ああ、同期の西野さんか。
彼女のマシンガントークが僕は得意ではない。

「悪いが人を待っているんだ。」


「人を待ってるって誰よ。
 ……ねえ!結婚したって本当なの?」

「ああ。そうだけど。」

「なんで結婚なんてしちゃったのよ!」

「結婚は僕の強い希望だったから。」


< 95 / 193 >

この作品をシェア

pagetop