物事は計画的に。
まだ話したりないと言わんばかりの西野さんより、椿がまだ到着しないことが頭から離れない。
遅いな。
事故に遭ってないよな?
まさか、ナンパなんてされてないよな?
ネガティブな事しか思い浮かばなくなり慌ててスマホを確認する。
「ちょっと!!!!
こんなに大事な話してるのにスマホなんて確認しないでくれる?
結婚した理由だって聞きたいし、一番は何で彼女なの?ってところだけど!!
今までずっと宮下君と仕事してきて、陰ながら支えてきた私に何の相談も連絡もないなんて酷いと思わないの!?
私は私なりに頑張ってきた。
いつかはと思って胸張って宮下君の側にいたのよ!?」
はぁ。頭が痛いな。
彼女の気持ちに気付いていたから、やんわりお断りをしていたつもりだが。
ここで頭ごなしに言っても伝わらないだろう。
誠意をもって話すか。
「結婚は理屈じゃない。
人を好きになる理由なんてさまざまだろう?
確かに彼女にとって結婚はいきなりだった。
付き合う過程を飛ばして結婚したいと思ったのは僕の方。
妻も妻のご両親も会食をして徐々にと考えていただろう話を無しにしてでも、そこまでしても結婚したいと思った。
彼女はいなかったが妻には長年片思いをしていたから、心に決めていた人はずっと前から居たということだ。」