昨日までを愛せますように。
「やるよ?……アンタも笑うんだな?」

無意識のうちに笑っていたらしい。

それはもう、好きな物を与えられた子供の様に─────……

「笑うよ、人間だもん……でも、動物だって笑うよ。泣きたい時は泣くし……」

人間だろうと、動物だろうと、嬉しい感情、悲しい感情……、様々な感情は一緒だと思う。

ただ、人間みたいに表には出ないだけだと思う。

表に出せない分、安易に傷つけてしまったら、怯える事しか出来ないんじゃないのかな?

虚勢を張って吠えても、心の奥底は怖くて仕方がない。

─────それは紛れもなく、自分自身の事だと思った……。

「……笑うかね、動物が?人間だって、上手く笑えないのに?」
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