昨日までを愛せますように。
「また、近い内に必ず会えると思いますよ。今日は本当に有難う。もう行かなくちゃ…」

「貧血?大丈夫?…」

「んっ、大丈夫、大丈夫♩…甘い物も食べたし、寝不足だと思うからっ…またね、香奈ちゃん」


壁掛けの時計をチラッと見て、急に立ち上がって、帰ろうとした彼女。

『会計はまかせて』って微笑んで、伝票を持って立ち去ったから、私も慌てて帰る準備をした。

会計をすませる彼女の所まで、急いで駆け寄る。

「私が出すからっ」

「だーめっ!今日は本当に私にまかせて!もしも、もしもね、……次があったら香奈ちゃんね?」

財布からお金を取り出そうとしたら、思いっ切り阻止された。

御礼を言って、カフェの外へ。

彼女は沢山の紙袋から二つ取って、私に差し出した。

『あげる』と言われて困ってしまったが、『貰って欲しいの!!捨てても良いからっ!!…むしろ捨てて…』と押し返された。
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