昨日までを愛せますように。
無理矢理に持たされた紙袋。

『急ぐからまたねっ』って、元気に駆け出した彼女。

全力で走って大丈夫?

倒れない?

唖然としてしまい、追い掛ける間もなく、人ゴミへと消えて行った……。

自宅に帰り、貰うハズじゃなかった紙袋を開けてみた。

すると……

今日の彼女の服装からは想像出来ない、



黒のチュニック。



黒のTシャツ。



小物類。



彼女は小柄だから、Sサイズも入りそうだが、Mサイズだった……。

ちょっと大きめを買っただけかな?

今度会えたら返そう……。

そう言えば、"今度"という言葉にひっかかった。

彼女は『また必ず会う』というような言い方をしていた。

どうして……?

確信出来る……?

それから、





『むしろ捨てて…』




って……。




数々の疑問が残る。

彼女は一体誰だ?

あの大量の紙袋の意味は……。





夏も終盤になって来た頃、真実を知る事となる─────……




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