昨日までを愛せますように。
「うん、有難う!大切に使うね」
この時の美優の優しい声掛けを不信にも思わず、ただ素直に受け取った私。
それが、美優なりの"お別れの言葉"だとも知らずに私は幸せな気分に浸っていた。
プレゼント交換が済み、談笑していた時、旦那さんの車が到着した。
「あ、由良君来たみたい。……香奈ちゃん、コレ、もう一つのクリスマスプレゼント。……これで香奈ちゃんも幸せになれるから。……お幸せに!ちょっと早いけど、ハッピーメリークリスマス!……じゃあね!ごきげんよう!」
車が到着した瞬間、バッグの中から薔薇の押し印がしてある白い封筒を取り出して渡された。
美優の目には少しだけ涙が浮かんでいるように見えたのだが、気のせいだろうか?
「美優様、お待たせしました。どうぞ」
「由良君、ドアは開けてくれるだけで良いといつも言ってるでしょ?わざわざ降りてこないで!」
「……申し訳ありません」
旦那さんは運転席から降りて来て、白い手袋をしていた。
目の前の光景に気を取られていた私は、美優に話をかける術もなかった。
車に乗り込んだ美優は私の方は見ず、ただ真っ直ぐと前を向いていた。
受け取った封筒には、
『お客様感謝企画!100万円を一名様にプレゼント! 当選者発表!R・N様、おめでとうございます!』
の記事のコピーと、ネットのURLが書かれていた紙が入っていた。
何、コレ……?
100万円プレゼントの記事のコピーは何だか違和感さえ感じるが、律斗さんの務めている化粧品会社の物だった。
私に応募して欲しいのかな?
けれども記載されている応募期間も過ぎているし、意図が分からない。
URLを開いてみると……、あの男の記事だった。
ネットニュースに顔写真と名前、年齢が乗っていて、
『〇〇川に男の遺体発見。男が女性を暴行後に逃走、逃げた先の川で足を滑らせ溺死か?』
とあった。
"女性は暴行により意識不明の重体。男は足を滑らせて川で溺死した可能性があり"
"男が立ち寄った居酒屋によると、かなり泥酔していたらしい"
……などと書かれている。
この時の美優の優しい声掛けを不信にも思わず、ただ素直に受け取った私。
それが、美優なりの"お別れの言葉"だとも知らずに私は幸せな気分に浸っていた。
プレゼント交換が済み、談笑していた時、旦那さんの車が到着した。
「あ、由良君来たみたい。……香奈ちゃん、コレ、もう一つのクリスマスプレゼント。……これで香奈ちゃんも幸せになれるから。……お幸せに!ちょっと早いけど、ハッピーメリークリスマス!……じゃあね!ごきげんよう!」
車が到着した瞬間、バッグの中から薔薇の押し印がしてある白い封筒を取り出して渡された。
美優の目には少しだけ涙が浮かんでいるように見えたのだが、気のせいだろうか?
「美優様、お待たせしました。どうぞ」
「由良君、ドアは開けてくれるだけで良いといつも言ってるでしょ?わざわざ降りてこないで!」
「……申し訳ありません」
旦那さんは運転席から降りて来て、白い手袋をしていた。
目の前の光景に気を取られていた私は、美優に話をかける術もなかった。
車に乗り込んだ美優は私の方は見ず、ただ真っ直ぐと前を向いていた。
受け取った封筒には、
『お客様感謝企画!100万円を一名様にプレゼント! 当選者発表!R・N様、おめでとうございます!』
の記事のコピーと、ネットのURLが書かれていた紙が入っていた。
何、コレ……?
100万円プレゼントの記事のコピーは何だか違和感さえ感じるが、律斗さんの務めている化粧品会社の物だった。
私に応募して欲しいのかな?
けれども記載されている応募期間も過ぎているし、意図が分からない。
URLを開いてみると……、あの男の記事だった。
ネットニュースに顔写真と名前、年齢が乗っていて、
『〇〇川に男の遺体発見。男が女性を暴行後に逃走、逃げた先の川で足を滑らせ溺死か?』
とあった。
"女性は暴行により意識不明の重体。男は足を滑らせて川で溺死した可能性があり"
"男が立ち寄った居酒屋によると、かなり泥酔していたらしい"
……などと書かれている。