昨日までを愛せますように。
─────美優は全てをお見通しだった?

だから、美優は黒系の服装できたのかな?

せめてもの弔いの為に……。

「……あ、律斗さん。わ、私も…連絡しようと思っ、てた…」

頭の中がぐじゃぐじゃになり、唯一の頼りの律斗さんに電話しようとしたら……偶然にもかかってきた。

久しぶりに流した涙はボロボロと流れ落ち、一瞬で化粧も崩れていく。

律斗さんに貰った化粧品だとしたら、汚く落ちたりはしないのに……などと、混乱する頭の中で過ぎったりしていた。

─────美優は何者?

もう会えないのかな……?

あの男が亡くなった事など、既に頭の中から消えていて、美優が居なくなると確信してしまったから悲しくて切なくてやるせなくて泣いた……。

今までは去る者は追わずだったのに、何故なんだろう?

初めて弱さを見せられた人だからたろうか?
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