王女ちゃんの執事3『き・eye』男の娘、はじめます。
最終志望でおちゃらけた生徒へのお仕置きは続くよ続く。
だけどケツに鞭をくれるのは最終コーナーを回ってからじゃねえの?
夏から延々ぶたれてちゃサラブレッドだってつぶれるぜ。
ましておれは駄馬。
ダバダ~。
歌いながら我が家の優駿・虎に八つ当たり、決定。
「虎、おかわり」
3度めの飯要求に虎が壁の時計を見上げて首を振る。
「兄ちゃん、遅刻するよ。いくら夏休みの補講だからって、まずいでしょ」
「誰も気にしねえよ」
「お母さんが気にする。おれ、ちゃんと監督するように言われてるし」
監督だあ?
生意気なんだよ、弟のくせに。
「そういや、おまえ、YZ会の夏期講習受けるんだってな? しかも自分の小遣いで。ひとがのんびり風呂に入ってんのに、おふくろが脱衣場で、鼓膜が破れるボリュームで兄弟比較リポートを演説してったぜ」
査定は全部、虎之介基準だから、おれは完全なる型落ち下位機種だ。
「そんなに楽しいか、勉強って」
「――答えが出せるものって、ラク…じゃない?」
「…………」
こっちを見もしないで完璧優等生理論。
気が弱いにもほどがある。
だけどケツに鞭をくれるのは最終コーナーを回ってからじゃねえの?
夏から延々ぶたれてちゃサラブレッドだってつぶれるぜ。
ましておれは駄馬。
ダバダ~。
歌いながら我が家の優駿・虎に八つ当たり、決定。
「虎、おかわり」
3度めの飯要求に虎が壁の時計を見上げて首を振る。
「兄ちゃん、遅刻するよ。いくら夏休みの補講だからって、まずいでしょ」
「誰も気にしねえよ」
「お母さんが気にする。おれ、ちゃんと監督するように言われてるし」
監督だあ?
生意気なんだよ、弟のくせに。
「そういや、おまえ、YZ会の夏期講習受けるんだってな? しかも自分の小遣いで。ひとがのんびり風呂に入ってんのに、おふくろが脱衣場で、鼓膜が破れるボリュームで兄弟比較リポートを演説してったぜ」
査定は全部、虎之介基準だから、おれは完全なる型落ち下位機種だ。
「そんなに楽しいか、勉強って」
「――答えが出せるものって、ラク…じゃない?」
「…………」
こっちを見もしないで完璧優等生理論。
気が弱いにもほどがある。