真夜中のサイコパス
(ウソでしょ……。

私の右手が勝手に動いている……)


私はあり得ないことを目の当たりにして、恐怖で叫びたかったけど、しんと静まりかえった教室の中で、声を上げることができなかった。


(私の右手はノートになにを書いているの?

読まなくちゃ……。

なにが起きているかを理解しなくちゃ……)


私は恐怖に顔を歪めながら、私の右手が勝手に書いている文章に目を向けた。


そしてノートに書かれている文章が、私に話しかける内容だと知ったとき、私は心に大きな衝撃を受け、息を詰まらせながら、その文章を読んでいた。


『久しぶりだな、有島咲良。

お前は自分の中から私がいなくなったと思っていたか?

だとしたら、残念だったな。

私はお前の中にずっといる。

あの日からずっと……』
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